ハイパーサーミア治療の流れ

ルーククリニックでの治療の進め方をご案内します。

電話、メールなどでのお問い合わせ

主治医、ご本人、ご家族などからの質問には月曜日~金曜日9~17時まで、専属の担当者が対応しております。

セカンド オピニオン

外来は予約制で情報提供書やCTフイルムなどを参考にして竹内院長が面談いたします。
検査データなどを参考にして、現時点での標準的医療を確認し、その上で全身ハイパーサーミアの適応の有無や、その他の治療を含めた可能性などを説明します。

治療

治療は静脈麻酔下で行われます。
患者さんは寝ているような状態で自発呼吸もしていますが熱感や不安などは一切感じません。
ICUに準じたモニターの装着・監視下で酸素の補助投与や輸液が行われます。


施行医は、心拍数、呼吸数などが上がり過ぎないように麻酔深度をコントロールします。
麻酔は体温調節機能を抑制する為にも必要で、もし麻酔をせずに意識があると自立的な調節が働き、暑苦しいだけで体温は上がりません。


画像のグラフで赤線の皮膚の温度は少しずつ上がりますが42.5℃位が最高で火傷などが起こる事は一切ありません。
白の線(鼓膜温度)、黄色の線(直腸温度)が一般に中枢温度と言われている真の体温です。


エンサーミクスRHD7500は、皮膚の温度はあまり上げずに、中枢の温度が0.08℃/分のペースで上がるように設計されているのです。


体温が目標温度(41~42℃)まで上がると60分間維持します。
術中、高体温で効果が増加するプラチナ剤系や5FUなどの抗がん剤を点滴する事もあります。


治療が終了し体温を下げながら麻酔静脈投与を中止すると、15分間くらいで覚醒します。
ストレッチャーでリカバリー室へ移動し、3時間の安静となり、基本的に日帰りが可能です。


目的体温までの加温に90分間、体温維持時間が60分間、冷却麻酔覚醒までの時間が30分で、午前9時~午後12時くらいが治療時間です。
その後、ストレッチャーでリカバリー室に移動し午後3時まで麻酔の覚醒や復温を待ちます。

以後は点滴などを外し軽い食事をして午後4~5時には帰宅が可能です。

副作用

典型的なものは、治療後の疲労感と患部の痛みや筋肉痛、及び一過性の発熱や白血球増加現象です。

疲労感と患部刺激痛

これは体内の乳酸蓄積による症状です。
また腫瘍組織は血液循環が高温に対応できず特に乳酸が蓄積しやすい性質を持っているので、患部が酸性になり筋肉痛のような刺激が出ます。
初回の治療に一番出現する傾向(20%)があり、その後の治療では軽くなります(5%)。
一過性の症状なので、鎮痛剤などの投与と数時間の安静で改善します。

発熱と白血球増加

治療後、数時間~2日位に発熱が起こる事があります。
37℃の微熱が続いたり40℃を超える発熱が起こる方もいます。
発熱の頻度は5~10%位で、その場合は鎮痛解熱剤で解熱します。
同時に白血球が上昇しており、10000を超えている事もあります。
これらの現象はG-CSFという物質が骨髄を刺激して発熱や白血球増加を促している為です。
G-CSFは抗がん剤治療の際の白血球増加剤として一般の治療に使われていますが、全身ハイパーサーミア後は反応性に内因性の G-CSFが増加する事が分かっています。
一般的な感染による発熱と混同してしまう事があるので主治医の先生にも、その旨の連絡をしておく事にしています。

面談:効果の評価

治療は基本的に週に一回、計2〜4回を施行します。
治療前、治療終了2~3週後の腫瘍マーカーや画像評価をし、主治医への報告や以後の治療方針を相談します。
本院の一般外来へ継続して定期受診している方や、一年に一度2回くらいの定期的な治療を受けている方も複数いらっしゃいます。